2代目が会社を潰すBlog

#意識低い系社長が起業・経営・経済について発信するBlogです。

半沢直樹を見なくなったわけ。

おはようございます。

#意識低い系社長 です。

 

f:id:sechica:20200819002833j:plain

タイトル通り、先週から半沢直樹の視聴をやめました。
え、なんで?と思われる方も多いでしょうし、「半沢直樹」というスマッシュヒットドラマに乗っかった記事はPVも取れていました。

ですが、もう見たくなくなったのです。

 

今日はその理由についてお話します。

 

1.サラリーマンとしての働き方

 

半沢直樹」は銀行マンとして現状、エリートコースに乗っている「成功している」サラリーマンです。(敵は多いですが。)

上司に楯突くサラリーマンはドラマの世界だけの話です。

現実でやれば、査定に響き、下手すれば降格、訓告、減給すらありえます。
会社組織とはそれで成り立っているのです。

半沢直樹」はあくまでフィクションで、現実でできないからこそ、痛快で勧善懲悪の時代劇として人気を博しているのだと分析しています。

しかし、現在においてサラリーマンは会社に対しての忠誠心を失いつつも、会社にしがみつかざるを得ない人たちが多くいます。わたしでもそうするでしょう。
理由は単純で、会社組織の中でしか仕事ができないからです。
会社にある設備、会社の看板、同僚、上司、部下、自身の肩書なくして仕事を成し遂げられないのです。(ここでの仕事とは、日常の仕事ではなく、納品をしてお金をもらう、までの仕事です。)

サラリーマンは会社をやめたら、会社の看板も肩書も全て失い、自分でポートフォリオを作り、自分というブランドデザインを行い、それを持って自ら営業し、案件を獲得しなくてはなりません。

その働き方自体に賛否はあるとは思いますが、サラリーマンより余程大変でしょう。まずセルフプロデュース能力を持っているサラリーマンなんてごく僅かです。

そんな環境下で、半沢直樹」において組織に固執するキャラクターたちを見ているのが辛くなった、というのが一因です。

 

2.企業の財政再建を見ているのが辛い

 

劇中に登場する「帝国航空」は大企業です。そこでの「財政再建」は、身を切るようなプロジェクトが目白押しです。

わたしは昨年、コロナ禍以前に消費増税での大幅受注減を予測していたので、9月頃から社員の退職勧奨という名の整理解雇を断行しました。

客観性と妥当性を持たせるために役員報酬のカット(わたし自身の報酬は約7割カットしました)、固定費の削減、車両売却等も行いました。それでもなお、人減らしをする必要があったのです。

昨年までは毎晩遅くまで残業するほど仕事が山積みで、いくら人がいても足りないぐらいの仕事量でしたが、わたしのような下請けの下流製造業は、景気が悪くなるのが分かるのが他の会社より早いんです。

大手メーカーは半年先、1年先の企画を注文してくるので、わたしたちに仕事が来るのはその半年、1年前に注文が来るのです。ですので、明らかに昨年の7月頃から受注が減ってくる見通しがあったのです。

一昨年設備投資した新しい製造ラインの稼働停止をしなくてはならない。つまりその製造ラインに関わる人員は整理解雇しなくてはならない。非情な決断ですが、そうせざるを得ませんでした。

わたしには肩を叩いた社員のうらめしげな目が未だに瞼に浮かびます。しかし、口でいくらわたしが正当性を主張しても、他にも社員はいるのになぜ自分が?と思われるのも当然ですし、慈悲を請われたり、罵声を受けることもありました。忙しいときの苦楽を共にした従業員に引導を渡すのは、苦しいなんてものでは表せませんでした。

その頃から、わたしは夜眠れなくなり、精神的に不安定化してきました。

半沢直樹」において「帝国航空」の再建には、会社の資金を横領する確固たる悪がいました。それは罰せられるべきですし、そこまではよかったのですが、やはり従業員のリストラ、となってくるとわたしにとっては、もはやトラウマでしかないのです。

 

3.日本を覆う「働きたくない」という病魔

 

今の日本には「働かないで楽して暮らしたい」というムードが蔓延し、目の前の仕事に死にものぐるいで取り組む、というのは昭和の風潮で、「悪」とみなされるような論調が多くなってきました。

わたしは以前から、『会社組織自体、常に生産性の向上と効率化に務めなければならない。そしてそれは人の強さを引き出すマネジメントによって最適化される』、というドラッカーのマネジメント論を経営の柱として考えていましたので、骨太の経営計画書を作ってきていました。

 

「働かなくても国から給料が補償されるんなら、もっと休めばいいのに」

 

これは先日、弊社従業員が放った言葉です。

今まで築き上げてきたわたしの経営計画とはなんだったのか。

働き方改革関連法案」についてもそうです。なぜ、国が「働き方」を定めるのか。ブラック企業を撲滅したいというのは分かります。しかし、待遇が不当だと思うのであれば、そんな会社は辞めればいい。労働者のごく当たり前の権利です。人がいなくなれば当然ブラック企業は淘汰されます。

文句を言いつつ、働いているのは、「そこでしか働けない」からに他なりません。「誰でもできる仕事」は待遇が悪いのは当たり前です。
「人が嫌がる仕事」≒「誰でもできる仕事」なのです。

国家資格所持者やエリート大学卒業者、特定分野の秀でた能力者は当たり前に高給取りになります。それはその他大勢よりも、個人の能力が高く、生み出せる価値が何人分にもなるからです。

そしてそんな能力者ほど、常に仕事をしています。残業代なんて気にしてもいません。なぜならば自分が社会を動かしている実感があるからです。雇われの身でありながら、ほぼ経営者のような視点で物事を考え、職務を遂行しています。

半沢直樹」では、どうにも「仕事をしない」上司像が多く描かれており、だんだんと見てるのがしんどくなった、というのが最後の一因です。

はっきり言います。

今日本を覆う「働きたくない」ムードは国を滅ぼします。

がむしゃらに、ひたむきに、働きまくったから日本は戦後復興や震災復興ができたのです。ひとりひとりが今やっている仕事に自信と誇りを持ち、努力や精進を惜しまない世の中になることを祈ります。

 

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

👇 よかったら見ていってください。(近日中に2本目の動画をあげます)